看護師長の役割について教えてください。
医療が進歩し、治療の選択肢が増えてきたとはいえ、がんの診断は患者さんやご家族の生活や人生に大きな影響を及ぼします。そのような試練の時を、少しでも安心して前に進める力となれるよう、緩和ケアセンター、外来化学療法室、がん相談支援センターの3つの部門に所属する16名のスタッフとともに、がん患者さんの支援にあたっています。
がん治療・支援センターの理念は、「がんの診断から終末期までの全過程を、がんと共に今を生きる患者さんとそのご家族に寄り添い、生きる力を支える看護を提供すること」です。スタッフが十分に力を発揮できる環境つくりも私の重要な役割の一つだと思っています。
患者さんやご家族へのメッセージをお願いします。
大切なご自身、ご家族ががんの診断を受けた時、まずはがん相談支援センターに立ち寄っていただくことをおすすめしています。病気や治療について数多くの情報が氾濫する中で、誤った情報に振り回される方は少なくありません。個別な状況をふまえ、適切な情報を持ち帰っていただけるよう、がん相談支援センターのスタッフが対応しています。
がん医療に関心のある看護師の方々へメッセージをお願いします。
外来化学療法に通う患者さんが今年の七夕飾りの短冊に次のように書いていました。
「来年が迎えられますように」
副作用に苦しみながらも生きるための治療を選択し、日々を必死に生きる患者さんたちの姿に私たち看護師は逆に支えられている気がします。縁があって私たちはその日々を共に過ごし、たわいもない話をしながら日々の喜びやつらさに耳を傾けることは、不可欠な看護だと思っています。
それとともに、ますます高まるがん看護の専門性に知識と技術をブラッシュアップしていく努力も不可欠です。がん看護に関心を持ち携わりたいと考えていらっしゃる方、歓迎いたします。