【看護師特定行為研修センター】 KAGOSHIMA CITY HOSPITAL

看護師特定行為研修センターのご紹介
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看護師特定行為研修センター長あいさつ
特定行為研修センター仲村将高先生
仲村 将高

 2015年10月より本邦では「特定行為に係る看護師の研修制度」が導入されました.超高齢化社会突入の2025年問題,医療の高度化・複雑化,医療従事者のマンパワー不足,そして働き方改革の必要性など,複雑な社会事情が本制度導入の背景にあると考えられますが,本制度の大きな目標は,特定看護師を多く育成する事によって,多くの患者様が,より安心かつ安全で質の高い医療を受けられるようになる事であるといえます。

 鹿児島市立病院でも2021年4月より,看護師の特定行為研修を開始しました.私たちは,救急領域と外科領域における豊富な症例数という当院の特徴を生かし,急性期医療の分野から研修プログラム(研修区分別科目)を開始しましたが, 2022年度はさらにその内容を充実化させ, 研修生募集に関しましても院内外を問わないスタンスをとり,より多くの受講生が参加できるように対応しております.当院での研修の特徴として,各診療科専門医をはじめあらゆる領域の指導者となりうるスタッフが揃っている事,日常診療と両立しながら,安全かつ円滑にさらにしっかりとした研修が行えるような体制を構築している事などが挙げられます.また当院は普段から風通しの良い雰囲気で多職種の皆様と交流できる場面が多く,研修を受講しやすい環境にあると確信しています.

 看護師の特定行為が幅広く活用されるようになりますと,たくさんのメリットが得られると私は考えております.その主なものとして,まず第一に,「より安全でより質の高い医療サービスを患者様に提供できる事」が挙げられます.これは医療人としての本質的な目標でもあり,この事を見失う事なく,研修や実践に励んでいただければと思います.次いで,「医師や他の医療スタッフとの連携がスムーズとなり,互いの仕事を効率化する事でそれぞれの負担が軽減できる事」が挙げられます.仕事の効率化・負担の軽減化は,就労時間の短縮につながるだけでなく,スタッフの疲労・疲弊を回避し,安全な医療を確保する上でも必要であるといえます.さらに特定行為を実践する事によって「看護師一人一人がプロフェッショナルとしてのモチベーションをより高く維持できる事」につながると私は期待しております.新たに修得した知識・技能は大きな誇りであり,様々な面でアップグレードした意識を持って今後の看護に取り組んで頂ければと思います。

 看護師の特定行為は時代の流れに沿って生まれた必要とされるものです.本制度はまだはじまったばかりで,当院でも現時点のプログラムでは特定行為38項目の全てを網羅する内容には至っておりませんが,将来的にはより多くの項目が修得できる体制を確立したいと思います.先にも申し上げましたように2022年度には院内外を問わず多くの皆様が本プログラムに参加できる体制を構築し,地域医療全体へのさらなる貢献を目指していきたいと考えております。

 看護師特定行為研修は,皆様にとっても再学習の場でもあり,自身をさらに磨くチャンスであると私は考えています.One step forwardの精神で一人でも多くの看護師の皆様が特定行為を修得される事を望んでおります.その為に私たちも尽力していくつもりですので,よろしくお願い致します.

 

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特定行為研修の理念

 当院は、地域の中核的医療機関として、高度・専門医療の更なる充実や地域医療機関との連携に努める一方で、地域医療に貢献できる優れた医療人を育成することは、公的医療機関として、果たすべき重要な役割であると考えています。迅速な判断と対応が求められる高度急性期医療の現場において、患者の状態を迅速かつ的確に判断し、介入する手段を1つでも多く持つ看護師を育成することは、患者への迅速な対応や医療の質向上につながることが期待されます。

 研修を通じ、高度かつ専門的な知識や技術を習得した看護師を育成することで、安心安全な医療の提供だけでなく、ひいては地域医療の質の向上につながることを目指します。

 

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特定行為研修の目標

 (1) 高度医療および地域医療の現場において、病態の変化や、疾患を包括的にいち早くアセスメントし、必要な治療を理解する知識、技術および態度の基本的能力を養う。

 (2) 高度医療および地域医療の現場において、必要な特定行為を安全に実践する基礎的能力を養う。

 (3) 高度医療および地域医療の現場において、問題解決に向けて、多職種と効果的に協働できる能力を養う。

 (4) 自らの看護実践を見直し、標準化する能力を養う。

 

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特定行為研修区分別科目

現在は、11区分と4つの領域別パッケージを開講しております。

※令和7年度は、さらに6区分(朱字)を加え、17区分と4つのパッケージを開講いたします。

 

選択区分

・呼吸器(気道確保に係るもの)関連
・呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連
・呼吸器(長期呼吸療法に係るもの)関連
・循環器関連(院内受講者のみ)
胸腔ドレーン管理関連
腹腔ドレーン管理関連
栄養に係るカテーテル管理(中心静脈カテーテル管理)関連
・栄養に係るカテーテル管理(末梢留置型中心静脈注射用カテーテル管理)関連
 (院内受講者のみ)

・創傷管理関連
創部ドレーン管理関連
・動脈血液ガス分析関連
・栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連
感染に係る薬剤投与関連
・血糖コントロールに係る薬剤投与関連
・術後疼痛管理関連
・循環動態に係る薬剤投与関連
・精神及び神経症状に係る薬剤投与関連

領域別パッケージ

・在宅・慢性期領域パッケージ
・外科術後病棟管理領域パッケージ(院内受講者のみ)
・術中麻酔管理領域
・救急領域

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研修風景

現在、院内外の20名の受講者が学修しています。

研修は、放送授業による講義と集合研修による演習や実習、患者に対応する臨地実習で構成されています。放送授業は、受講者のペースで自ら調べながら、納得いくまで繰り返し受講することができます。集合研修では、同じ課題に取り組むことで、受講者の間に一体感が生まれ、受講者同士で知識を共有しながら学ぶことができます。また、集合研修は、日常業務ではなかなか交流できない他部署・他施設のスタッフと情報交換するよい機会であり、研修後もプラスに働く人間関係を構築できる場ともなっていると考えています。

研修を通し新たに修得した知識や技術は、患者へ質の高い医療の提供に寄与するものであり、専門職としての大きな誇りとして、モチベーション向上に繋がると考えています。

研修風景(画像タップで拡大)
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研修のご案内
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募集要項
【募集要項】
【提出書類】