ごあいさつ
鹿児島市立病院のルーツは、1893年(明治26年)に設置された市立鹿児島病院です。1907年(明治40年)、市立鹿児島病院は鹿児島県に返還され消失しましたが、33年を経た1940年(昭和15年)鹿児島市南林寺町に鹿児島市立診療所として再生しました。1948年に甲突川沿いの市内加治屋町に移転し、以来67年間市民に親しまれながら、診療してきました。2015年「あらたの杜」公園に隣接した市内上荒田町に、684床から574床にダウンサイジングして新築移転し、高度急性期・急性期病院として進化しながら、2020年には創立80周年を迎えました。
鹿児島市立病院の大きな診療の柱は、救急医療、成育医療,がん診療の3つです。救急医療では、県内で最も古い救命救急センターが,1985年(昭和60年)に設置されました。2011年(平成23年)鹿児島県ドクターヘリの基地病院、2014年(平成26年)鹿児島市消防局の事業であるドクターカーの基地病院の指定を受け、救急病棟やSCU(脳卒中集中治療室)などを中心に、多くの診療科が24時間体制で救命救急に取り組んでいます。成育医療では、2007年(平成19年)県総合周産期母子医療センターの指定を受け、国内では最大規模のNICU(新生児集中治療室)36床、MFICU(母胎胎児集中治療室)6床などを有し、24時間体制で緊急帝王切開や低出生体重児に対応しています。また、小児救急拠点病院として、小児の二次救急に対応しています。がん診療では、地域がん診療連携拠点病院として、ほぼ全ての領域のがんに対応できる体制が整備されています。最新の機器による画像診断に加え、ダヴィンチをふくめた内視鏡下手術、県下最大の外来化学療法部における薬物治療、選択的な放射線治療などがんの治療体制が整っています。また、ゲノム医療も進めています。これらの高度専門医療は、充実している診療科やICU(集中治療室)をはじめ多くの専門的な医療スタッフによって支えられています。
また、人材育成では、専門医取得が出来る多くの学会の認定施設や基幹型臨床研修指定病院のほか、鹿児島大学大学院医歯学総合研究科連携講座が設置され、医学博士も輩出しています。さらに、診療看護師や特定行為看護師や専門薬剤師の育成など、専門性の高い医療職を育成するよう務めています。
鹿児島市立病院は、鹿児島大学病院に次ぐ規模と機能を有する県下の高度急性期・急性期病院として、患者様に安全・安心で質の高い医療を提供し、市民・県民に信頼される病院、また、職員にとってもやりがいのある満足度の高い病院を目指しています。