脳神経外科
脳神経外科について
①脳神経神経外科とは,
脳、脊髄、末梢神経系およびその付属器官(血管、骨、筋肉など)を含めた神経系全般の疾患のなかで主に外科的治療の対象となりうる疾患について診断、治療を行う医療の一分野です。
②当院では、
脳卒中(脳血管が原因で突然に起こる病気の総称で、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血が含まれます)および脳卒中を引き起こす病態の予防(内頸動脈狭窄、未破裂脳動脈瘤、もやもや病など)、頭部外傷、先天奇形などの小児脳神経外科疾患、機能的疾患(三叉神経痛、顔面けいれん)、水頭症、脳腫瘍などの治療を行なっております。
脳神経外科医7名(うち日本脳神経外科専門医5名)で対応しています。中でも脳卒中や頭部外傷など一分一秒を争う疾患に特に力を入れています。難易度の高い開頭術や小児脳神経外科につきましては、当院嘱託医の応援もいただきながら対応しています。いずれの治療も鹿児島大学脳神経外科と密接に連携をとりながら治療しています。
鹿児島市立病院脳神経外科の特徴
①重症症例が多い
当院は以前より、重症脳卒中および頭部外傷の救急搬送が多いのが特徴です。出血性脳卒中(脳出血とくも膜下出血)は通常脳卒中の25%程度ですが、当院では重症患者を多く引き受けているため脳卒中入院患者のうち出血性脳卒中は約50%程度になっています。年間50例を超えるくも膜下出血の治療を行い、予防的な未破裂脳動脈瘤治療についても50例程度行なっています。
②他科との連携を重視
また脳卒中において、脳神経内科と常に連携をとりながら治療を進めている非常に稀な施設となっています。他に救急患者は救急科、全身状態不良ならばICU、てんかんや脳変性疾患は脳神経内科、心疾患は循環器内科や心臓血管外科、糖尿病は糖尿病内科など、あらゆる科と協力して専門的に治療を進めています。脳卒中においては、口腔外科と連携することで口腔ケアが充実し誤嚥性肺炎を減少させ、メンタル科と連携することで、不穏や不眠は良好にコントロールされることを実感しています。多くの他科が関与することでより、専門的に広い分野をカバーでき、患者さんのためになっていると考えています。
③他の医療機関や救急隊との連携を重視
当院は脳ドックを行っていないため、他の医療機関からの多くの患者さんをご紹介いただいております。治療方針やその後のフォローを含めて連携を重視しています。また関連施設や救急隊とも定期的にWEBでの会議を行って連携を深めています。
このように連携を重視しながら、重症を含め主に脳卒中に24時間365日対応しています。特に脳動脈瘤治療(くも膜下出血の原因となる破裂脳動脈瘤、未破裂脳動脈瘤)や血栓回収に力を入れています。治療内容については、多くの脳卒中医師(脳神経外科、脳神経内科)でカンファレンスを行い方針を決定しています。鹿児島県の脳卒中をリードする施設でありたいと日々努力しています。
鹿児島市立病院脳神経外科実績
年間約400例の脳神経外科手術を行なっています。脳動脈瘤については年間100例程度(破裂50例未破裂50例。クリップコイルとも半分程度)行なっています。脳血管内手術は、デバイスの進歩や患者さんが低侵襲を好む傾向を反映し年々増加傾向にあります。
主な疾患について
1)脳動脈瘤
破裂脳動脈瘤、未破裂脳動脈瘤を問わず当院では多くの患者さんが紹介もしくは救急搬送されています。治療方針につきましてはカンファレンスなどにて複数の脳神経外科医で検討を行って最善の方法をお勧めしています。
開頭クリッピングは、当科前部長の時村が長年にわたって確立してきた小開頭、外視鏡、Dクリップを基本に行い、患者さんに対して低侵襲であることを目指しています。小開頭の詳細につきましてはこちらを参照してください。
また最近の流れとして、低侵襲、デバイスの発達を背景に血管内手術(コイル塞栓術ほか)も多く行われています。コイル塞栓術以外にも留置するだけで動脈瘤が治癒するフローダイバーター留置も2020年より70例ほど行われ、以前は難治であった動脈瘤についても治療可能となっています。脳血管内治療の詳細につきましてはこちらを参照してください。
2)内頸動脈狭窄
頸部内頸動脈狭窄により脳梗塞のリスクが高まります。当院では、一例一例検討し、内膜剥離術もしくは頸動脈ステント留置術のどちらかを行っています。
2024年は内膜剥離術7例、ステント留置術14例が行われました。
3)血栓回収
脳梗塞に対する超急性期治療としての血栓回収は、24時間365日、日本脳神経血管内専門医が血栓回収当番を組んで、脳神経内科と共同で年間50-60例行われています。血栓回収につきましては、脳卒中センターを参照してください。(脳卒中センターのページへ)
4)小児脳神経外科
当院は全国最大規模のNICUを抱えており、小児脳神経外科につきましても鹿児島大学脳神経外科のサポートを得ながら治療を行っています。小児脳神経外科つきましては、こちらを参照してください。
専門外来
・小児脳神経外科
・頭のかたち外来 (大吉先生)
専門外来 希望の方は、電話予約が必要です。
スタッフ紹介
氏名 | プロフィール |
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部長 |
認定医・専門等資格
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科長 |
認定医・専門等資格
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科長 |
認定医・専門等資格
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医師 |
認定医・専門等資格
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医員 |
認定医・専門等資格
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医員 |
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医員 |
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嘱託医 |
認定医・専門等資格
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嘱託医 |
認定医・専門等資格
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嘱託医 |
認定医・専門等資格
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外来診察・担当医師
研修医の先生へ
救命救急センター、脳卒中センターを有する脳神経外科として24時間体制で救急疾患に対応しており、常時入院患者は25~35人で、脳卒中一般、脳腫瘍、頭部外傷だけでなく、小児脳神経外科まで幅広い研修がおくれます。
2ヶ月の研修期間中に的確に救急患者さんの病態を把握し、補助検査を駆使して正確な診断をつけ、適切な治療方針を決定できることを目標に研修体制を整えています。手術件数は年間400例で、救急症例数も多いので、有意義な臨床研修がおくれると思います。
脳神経外科医を志す人も、脳神経外科専門研修プログラムに入っているので習得しやすい環境です。現在多くの臨床研修終了医が脳神経外科専門医となって活躍しています。
学会認定施設など
日本脳神経外科学会 専門研修プログラム 連携施設
日本脳卒中学会 研修教育施設
日本脳神経血管内治療学会 研修施設