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当院は鹿児島県内のみならず、宮崎県、熊本県の一部を含む南九州の新生児医療を支えています。年間600人を超える入院があり、超低出生体重児や外科疾患、敗血症などの重症例の治療を行っています。また週に1回、鹿児島大学病院、いまきいれ総合病院とカンファレンスを行い、医療連携を図っています。
当院のNICUは国内でも最大級の病床数で、かつトップクラスの豊富な診療実績を誇ります。産婦人科医と小児科医の両方のドクターがいるNICUは、国内でも当院だけではないでしょうか。分娩にいたるまでの判断と、出産後の成長のサポートをシームレスに支えられることが大きな特徴です。また、当院ではすべての科がそろっているので、他科と連携しながらよりよい治療を行える環境が整っています。
さらに新生児の搬送体制も万全です。新生児専用のドクターカーを完備し、新生児搬送においてドクターヘリを積極的に使っているのは、国内で唯一でしょう。「待ちの新生児医療」ではなく、「攻めの新生児医療」ができる。これも当院の新生児科の大きな特徴です。
重症はすべて当院に搬送されるため、珍しい症例をはじめ、実に幅広い症例をまんべんなく経験できることから、全国各地から当院を目指して研修医たちが集まります。新生児内科を学ぶ場としてはこれ以上にない良い環境だと思います。
もう40年以上前の話になりますが、鹿児島県の新生児死亡率は全国的にも高い水準でした。当時の鹿児島市立病院産婦人科の先生方のご尽力、そしてその後しっかりと受け継いできた体制と努力により、今や日本最高水準の新生児医療を提供できるようになりました。現状を維持していくには、今後も変わらないマンパワー、看護師との連携、科を超えた協力体制、地域の医療連携が必要となります。みなさま引き続きのご協力、どうぞよろしくお願いいたします。